小学生の経営体験|事業計画書を親子で作る5つの質問【記入例つき】|なぞときっず
「子どもに仕事やお金のことを考える体験をさせたい。でも、事業計画書は難しそう」と迷う保護者へ。この記事では、10〜15歳が家庭で取り組みやすい5つの質問、カード屋さんの記入例、親の声かけ、安全な販売体験の範囲を紹介します。
目的は、立派な会社を作ることでも、必ずお金を稼ぐことでもありません。自分のアイデアを、届ける相手と必要な準備まで含めて考え、試した後に「予想と何が違った?」と振り返る体験です。
小学生の事業計画書は1枚でいい
大人向けの創業計画書には、創業の動機、商品やサービス、販売先、必要な資金、売上の見通しなど多くの項目があります。日本政策金融公庫も、事業内容を整理するときの基本として「誰に」「何を」「どのように」を示しています。
ただし、小学生が初めて取り組む日に、同じ量を求める必要はありません。好きなものや得意なことからアイデアを一つ選び、次の5つだけを1枚に書きます。文章が苦手なら、絵や単語でも構いません。
①やりたい理由 ②届けたい相手 ③商品やサービス ④必要なお金と値段 ⑤売れた後の振り返り
参考:日本政策金融公庫「誰に?何を?どのように?事業内容を整理しよう!」
5つの質問で順番に考える
質問1:なぜ、やってみたい?
「絵を描くのが好き」「家族の誕生日を楽しくしたい」など、最初の理由を書きます。理由が子ども自身の言葉になっていると、途中で値段や材料に迷ったときも、何を大切にするかへ戻れます。
質問2:だれに届けたい?
「みんな」ではなく、まず一人の顔を思い浮かべます。お母さん、お父さん、祖父母など、よく知っている相手なら「甘いものが好き」「青色が好き」のように考えやすくなります。
ここで親が「これが売れそう」と決めず、「その人はどんなときに喜びそう?」「困っていることはある?」と質問します。相手を知ることが、商品を考える出発点です。
質問3:何を、どんな形で届ける?
手作りカード、小さな飾り、家族向けの飲み物メニューなど、家庭で安全に準備できる範囲から選びます。商品名だけでなく、「どんな気持ちになってほしいか」まで書くと、色や大きさ、渡し方を考えやすくなります。
質問4:必要なお金はいくら? 値段はいくら?
紙、ペン、袋など、新しく買う材料の値段を書き出します。家にあるものも「無料だから無限に使える」わけではありませんが、初回は計算を複雑にしすぎず、実際に支払った材料費を中心に考えると分かりやすくなります。
値段は「高い・安い」の感覚だけで決めず、材料にいくら必要か、いくつ作れるか、届けたい相手が納得できそうかを並べて考えます。計算例をもう少し詳しく試したい場合は、小学生に値段の決め方を伝える3つの基準へ進めます。
質問5:いくつ売れそう? いくら残りそう?
家族・親戚のうち、何人が買ってくれそうかを予想し、「値段×個数」で売上を計算します。その後、材料などに使ったお金を引いて、残るお金を確かめます。
売上 = 値段 × 売れた個数残るお金 = 売上 − 使ったお金
予想と結果が違っても失敗ではありません。「なぜ違ったかな」「次は何を変える?」まで書けば、計画と振り返りが一つにつながります。日本政策金融公庫も、売上高を客数と客単価などに分けて考える方法を紹介しています。
「売上」と「残るお金」を分けて説明するときは、小学生向けの売上と利益の計算方法もあわせて確認できます。
家族向けカード屋さんの記入例
- やりたい理由:絵を描いて家族を喜ばせたい
- 届ける相手:家族と祖父母
- 商品:名前と好きな絵を入れたメッセージカード
- 使うお金:色紙200円、リボン100円、合計300円
- 値段と予想:1枚50円で10枚なら、売上500円
- 予想する残るお金:500円−300円=200円
数字はあくまで計算例です。値段を先に正解として渡さず、「この材料で何枚作れる?」「一枚作るのに何分かかる?」と順番に確かめます。売れなかったときも叱らず、相手、見せ方、値段のどこを変えたいかを一つ選びます。
親が答えを言いすぎない声かけ
大人には「その値段では売れない」「材料が足りない」と先が見えることがあります。それでも、危険がない範囲なら、まず子どもの予想を書いてから一緒に確かめます。
- 「だれが一番喜んでくれそう?」
- 「買う人は、何を見たら選びやすいかな?」
- 「材料を買ったら、いくら残る?」
- 「もう一回するなら、どこを変えたい?」
文部科学省のアントレプレナーシップ教育事業も、起業家になることだけを目的にせず、挑戦を身近に感じて行動することを重視しています。家庭でも、結果を保証するのではなく、自分で決めて試し、振り返る時間として扱うのがよいでしょう。
家族・親戚だけで安全に体験する
この記事で紹介する販売体験は、家庭内で保護者が見守り、家族・親戚を相手に行う想定です。友人や近所の人、不特定多数へ売ることは勧めません。お金の受け渡しは保護者が一緒に確認し、食品、包丁、火、アレルギーに関わる場合は、準備から提供まで必ず大人が管理してください。
体験のゴールは売上額ではありません。「考えた通りだったこと」と「予想と違ったこと」を一つずつ話せれば十分です。
まとめ|1枚に書き、家族の中で試して振り返ろう
小学生の経営体験では、難しい事業用語を先に覚える必要はありません。やりたい理由、届けたい相手、商品やサービス、必要なお金と値段、体験後の振り返りを1枚にまとめます。親は正解を決めず、危険やお金の受け渡しだけを管理しながら、子どもの予想を質問で確かめてください。販売相手は家族・親戚に限定し、食品、包丁、火を扱うときは必ず保護者が管理します。
考える順番を、1冊のワークに
「こども社長プロジェクト」は、だれに何を届けるか、値段、必要なお金、売上、残るお金、振り返りまでを親子で進める10〜15歳向け経営体験キットです。ワークブック、きみの事業計画書、メニュー表3種を使って取り組めます。
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